歯根膜の増殖・分化に成功 信州大学繊維学部
日本工業新聞98年7月7日朝刊17面より
基材にキチン誘導体
歯の周りに塗布 歯周病治療に期待
信州大学繊維学部機能高分子学科の阿部康次教授らの研究グループはカニの甲羅などに含まれる天然多糖であるキチン・キトサンをベースにした高分子複合体を基材に用い、歯と歯茎の間でクッションの役目を果たしている歯根膜細胞を、骨あるいは肉に、増殖・分化させることに成功した。基材を歯の周りに塗ることで、歯根膜細胞を増殖させ、目的によって骨、肉として再生する。歯周病治療薬、歯科インプラント材、骨インプラント材などへの応用が期待される。
キチンに硫酸基及びカルボキシメチル基を化学修飾したキチン誘導体とキトサンからなる基材を作成した。硫酸基が多いと歯根膜細胞は肉に分化しやすく、カルボキシメチル基が多いと骨(もしくは骨芽細胞いずれ骨になる細胞)に分化しやすくなった。
動物実験として犬の歯を抜いてセラミックスの人工歯根を埋入し、その上に入れ歯を入れ、犬自身の歯根膜細胞と基材を周囲に塗ると、歯根膜細胞が増殖し、炎症にならずに人工歯根のまわりに肉や骨ができ、歯と密着した。
人工歯根の周りに骨が欲しい場合、肉が欲しい場合などの使い分けができ、また、歯の周りに基材を塗るだけ、と簡単に歯根膜細胞を増殖させることができる。最近増えている歯周病の治療で、歯根膜の再生が重要な課題となっており、すでに歯科医などから実用化の要望が寄せられているという。
今後、安全性の試験などを行い、実用化を目指す。
私の個人的感想;
基本的にはエムドゲインと同じ効能と思えますが、この文面からのことをすべて事実と仮定するとエムドゲインどころではない画期的な新薬と言うことになります。こんな新薬が早く現実のものになって、歯科保険にも導入されることを願っています。